【工作】名鉄5500系を作りこんでみた!

毎度ご愛読ありがとうございます、営業部の加藤です。

カスタムキットシリーズNo.307『名鉄5500系』のキットを作りこんでみました。久しぶりの工作記事ですが参考になればと、ご笑覧ください。

▲ワタクシの地元でもなければ見たことのない車両だ!などといいつつも、この車両なかなかカッコいいんです。いつか作ろうと思っていたのですが、機会があったので、ストレートに作ろうとしたんです。…が、いつの間にかあっちを削ってこっちを足して、あれを植えてこれを変えてと、大がかかりな加工を施していました。

◆イントロダクション◆

もちろんストレートで作るのもいいのですが、実車に詳しい方々からはいろいろなご意見がありまして。

名鉄5500系には1次車と2次車があり、製造時期によってクーラーの数が違ったりします。このポイントは非常に重要なので覚えておきましょうか。

キットはこの1次車をプロトタイプにしていまして…というと4両編成なのでは?というとキットを否定してしまうことになるので、そこはもう発売から何十年も経っている製品に彼是言うのはやめておきましょう。

▲キットは2両編成セットです。4両編成化するには同じキットを3つ購入して切り継いで中間車を作るのがポピュラーな手法のようです。

▲製品の台紙には他の形式やカラーバリエーションの解説まで記載があります。これだけでもポテンシャルの高そうなキットであることは推測できるわけですね。

そんなワケで、ワタクシが今回挑むのは2次車といたしました。

 

2次車は基本的に2両編成です。じゃあキットのままでいいではないか!いえいえ違うんです。2次車はボディの形状こそ共通ですが、屋上機器の配列・個数が異なります。ちなみに1次車は1両にクーラーが7基で半ガーランドベンチレーターが4基。対する2次車はクーラーが8基で半ガーランドベンチレーターが6基搭載されています。さらにクーラー横の通風機もキットに収録されているパーツでは足りないんです。足りないものはどうにか調達するしかないわけですが、3通りの方法があります。

1.それだけのためと思うのは野暮だが、もう1セット余分に買う

2.ガレージパーツに置き換える(トレジャータウンからパーツが発売中です。)

3.グリーンマックス・ザ・ストアの補修部品を調達(在庫は変動するので注意)

ということで今回は「3」の方法でなんとかしました。必要なのは屋根板の収録されているランナー1枚、AU12型クーラー、通風機のランナー1枚分です。

 

基本的な組み立て過程はほかのキットと同じですので、少しばかり途中経過をすっ飛ばします。

 

▲もうここまで進みました(笑)。この画像で既にただならぬ状態であることは理解できると思いますが、前面部分の加工ポイントを挙げておきます。

まず前面手摺。実車もそうですがこの車両の特徴ともいえる部分です。キットには手摺パーツが収録されていますので通常であればそれを接着します。なんですが、強度と見た目を考えて0.3㎜の真鍮線を曲げて差し込みました。寸法や角度は実車写真と比較して目分量としています。

キットではモールドがないので新設したのですが、乗務員扉の上方に雨どいがありますよね。極細に切ったプラ板で再現しました。

画像は加工前になりますが、側面サボ受けも撤去しました。

次にダミーカプラー。時代設定を特別整備後にしたので電連付きカプラーに置き換えました。弊社の完成品モデルの名鉄1000系に付属する小物パーツランナーに収録されているものなので、これもグリーンマックス・ザ・ストアから補修部品を調達。取り付け方法は下の画像を参考に。

▲ボディの下部にそのまま接着しています。キットに収録されているダミーカプラーと取り付け方法が異なります。

▲ジャンパ栓ケーブルも別のパーツを装着しています。これは参考になるかわかりませんが、クロスポイント製品のP-16307「私鉄用ダミーカプラー」という製品を加工して取り付けています。もともとは阪急2800系の付属部品だったものですが、ジャンパケーブルの表現がなんとなく似ているので使ってみました。奇数車用と偶数車用でケーブルの左右がありますのでご注意。

▲もちろん走らせることも前提としました。18.5m級用コアレス動力を仕込んでいます。取り付けにあたってはクロスポイントのコアレス動力取付アダプターを使用しています。車体前後がスペーサーに干渉するので、コアレス動力のスペーサーを適宜詰めます。また、前面のボディ底部を切削して動力ユニットが収まるように加工しました。

▲完成後の画像になってしまいますが、雨どい表現はご覧の通り。ちなみにアンテナは編成や時代によって搭載されているものの形状や有無が異なるので要注意です。この作例(5517+5518)編成は左の5518がT字型、5517はL字アンテナをそれぞれ搭載していました。

 

◆ここからが肝です◆

 

▲名鉄5500系、実車どおりの話をすると、パンタグラフの直下にベンチレーターやヒューズボックスが載っているため、パンタ台座を櫓(やぐら)のようにしているのが特徴です。名鉄ではほかに7000系パノラマカーでも見られるものですね。もちろんキットではこのような機構を再現していませんので、こだわるのならば再現してみましょう。ちなみにこの台座はプラ板から切り出した自作です。厚さは0.3㎜のプラ板で、幅1㎜に長細く切ったものを井桁に組んで接着しただけです。足は1㎜プラ棒を斜めにカットしてそれっぽく再現しています。ベンチレーターが収まる高さであれば問題ないでしょう。

ヒューズボックスもキットには収録されていませんので、別途補修部品を調達しています。画像では取付位置に基礎を設けています。

▲こちらは完成後の状態です。実はパンタグラフそのものはGM純正のPT43Nを使用しています。取付穴は櫓を組んだ分ボスが届かなくなるので、屋根板少し加工をしています。

クーラーについても触れておきましょう。

▲これは製品の組み立て説明書にも記載があるので踏襲します。

ものすごく細かいことを言いますと、パーツが若干大きいので8基も載せると実車よりも随分とクーラーとクーラーの間が詰まって見えますが、まあ気にしないことにしましょう。

▲次に妻面の話です。キットは妻窓が開いていますが、特別整備車は埋設されていますので、プラ板で塞いで再現しました。また、ココに注意点があります。妻面の両端にある昇降ステップは、パンタ車側は向かって右側にしかありません。キットのモールドを活かす場合は不要なほうを削除してください。作例では窓を塞ぐ際に邪魔になったのですべて削除したうえ、適当なエッチングパーツからそれっぽいものをチョイスして植え付けました。

貫通幌はクロスポイントの<16305>貫通幌(広幅タイプB)を使用しました。大きさもこれが最適です。

連結部分で、GMのジャンパ管パーツ<8590>中間連結部ジャンパ管パーツ(グレー)をトレーラー台車側に装着しています。連結間隔が気になる場合はコアレス動力に元から付属しているショートシャンクの「Sカプラー」に換装するといいでしょう。

 

◆側面と屋根◆

 

▲床下機器がキット純正でないことは一目瞭然ですが、これは完成品モデルの名鉄7700系のものです。実は5500系も同じ床下機器なんです。

この部品もグリーンマックス・ザ・ストアの補修部品(部品番号:4329A/Bm)を調達の上、無加工で装着しています。注意点としては、トレーラー車側の接着面が合わないので、0.5㎜のプラ板で高さのみ調整しています。

▲反対側です。クーラーの配置は参考になるかと思います。

▲1次車とは異なり、なかなかにぎやかな屋上機器類です。

 

◆最後に仕上げのお話◆

 

▲最初から完成状態の画像をお見せしていますのでもうお分かりかと思いますが、若干ハードなウェザリングを施しています。

やっぱり汚れた屋根って見ごたえがありますよね。ここまでしなくてももちろんいいのですが。

ウェザリングは屋根だけ施しました。使用したのは田宮のウェザリング用エナメル塗料のブラウン。屋根板に適当に垂らしたら綿棒で延ばします。パンタ付近はエアブラシで。

ドアレールの表現は「ラピーテープ」を使用。0.5㎜程度に切り出して貼り付けました。ラピーテープ(セメダイン社)は文具店などで売っているポリエステルテープです。

▲前面周り。ヘッドライト…工作途中でそれとなくわかっていたのですが、ちょっと上を向いているのはご愛敬。直しておけばよかったですね。はい。

ワイパーはトレジャータウン製ですが、名鉄のではなく東急用。家にあった余りものを使用しました。

 

◆カラーレシピ◆

ボディはクロスポイントのC-101「名鉄スカーレット」をそのまま使用しています。

床下などの下回りはGMの9番。窓枠、屋上機器などの銀はGMの8番。屋根板はGMの35番。窓枠の黒はGMの10番。貫通扉はGMの41番。ほぼどれも純正で調色無し。

ステッカーは家にあった余りものを使っていますが、今なかなか手に入らないアイテムとなっています。弊社企画側で検討しているところですので、名鉄のステッカーについては乞うご期待ください。

▲いかがだったでしょうか?参考になりましたら幸いです。

 

307:名鉄5500系 2両編成セット…¥1,650-(税込価格)

<別売品>
・パンタグラフ=5805:「PT43N」
・台車=5012-1:「DT24」
・動力ユニット=コアレス動力を組み込む場合は品番:5714(または5752)「コアレス動力ユニット18.5m級」と、8497:「動力台車枠・床下機器セット A-14 (DT24+4616AM)」を合わせてお求め下さい。

 

★グリーンマックス・ザ・ストアの補修部品各種は、常時在庫しているものとは限りません。ご入用の際はお店に在庫を確認してください。

 

では!

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