【車両解説】クモヤ145形とは?

毎度ご愛読ありがとうございます、営業部の加藤です。

今回は『クモヤ145形』について、その車両の蘊蓄を混ぜて製品紹介をしていこうと思います。

▲この形式はグリーンマックスから完成品モデルとハイクオリティーエコノミーキットでそれぞれ発売しています。
JR(国鉄)の風景にほんのちょっと変化球が欲しいときにちょうどいいアイテムだと思うのですが、いったいどんな車両なのか、という方はご一読を。

▲クモヤ145形は、旧型車の改造により使用されていた牽引車・救援車の置換えを目的として、国鉄時代の1980年代に101系電車を改造して誕生した直流区間用の牽引車です。民営化後はJR東日本・JR東海・JR西日本に継承され、一部車両が現在も活躍しています。
主に車両基地内の入換や、他の車両の工場への入出場時牽引、緊急時の救援に使用されています。牽引時には通常、他の車両の前後に1両ずつ連結されて運用されます。塗装は「青15号」に、正面に警戒色の「黄5号」を配しています。(GMのHPより)

ということで、いわゆる回送用の牽引車といった役割が大きい車両です。ほかにも基地間の職員輸送に使用されたり、霜取り用に改造された個体もいます。

▲クモヤ145は大別すると0番台と100番台の2形態がありまして、101系から改造を受けて誕生した落成当時はそれぞれ0番台と100番台を付与されました。1999年に出力アップのため主電動機を交換し、+1000を加えてそれまでの番台区分が
0番台⇒1000番台
100番台⇒1100番台
に改められました(外観上は全く変わりはありません)。
↑の画像は0番台。主に中京から関西に配置されました。

▲こちらの茶色の車両は・・・これはクモヤ90形です。外観はクモヤ145の0番台と同じですが、足周りや制御機器などが旧型国電のもので、いわゆる「アコモ改造車」というものです。形式としてクモヤ90形の一族は旧型国電の改造車ではありますが、ここで紹介する車体はクモヤ90の100/200番台に部類する異端車です。下周りが73形なので吊り掛モーター駆動ということになるわけです。

▲こちらは100番台、もしくは1100番台に属する車体です。0番台との外観上の区別は側面にある特徴的な機器搬入口です。
新製配置は関東から関西までの直流区間の広い地域にあり、26両も作られたのでわりと知られている存在かと思います。
その中でも個体差があり、とくに有名なのは吾妻線の霜取り運転で活躍した107番でしょうか。
弊社からも製品化しておりますが、実は屋根上の機器と配管が他と異なっている車両でした。

▲1100番台は現在も関西方面では活躍しています。ごく一部の車両においては下周りがグレーに塗装されて出場しました。
今後も増えるのかなと思うところですが、実際は全車に施すわけでもなさそうな雰囲気です。
個体差も本当に細かいところまで調べていくと、Hゴムの色や幕の色、押込みベンチレーターの取り付け角度、ジャンパ栓の配列など、模型でも再現するのが難しいところに違いがあったりします。

▲おっと、これはクモヤ145ではなく『クモヤ143形』ですね。GMからはキット形式で発売していた古い製品です。
引き合いに出したのは、たまたま画像があったから・・・なんですが、実はクモヤ145とは出生も異なり、この143系は改造車ではなく新造車というところも面白いですね。しかも関東の基地にだけ配置されていた車両なので、関西ではほとんどなじみがないという車両です。
残念ながらキットは既に絶版となってしまいました。

★★★★★★

さて、完成品モデルの最新機種もご案内いたしましょう。

2023年9月発売予定で1000番台の車番選択式を設定しました。

今回の記事で細かく説明しましたように、1000番台は主に中京から関西圏に配置されている車両です。本製品は関西圏で今も現役で活躍する車両から、車両番号1004、1006、1007,1009番より選択できるものをプロトタイプに製品化します。

2両セット(動力付き)ですが、トレーラー車の方は両側ライト点灯、消灯スイッチ付きとなります。

<31754> JRクモヤ145形1000番台(車番選択式)2両編成セット(動力付き) ¥17,820-(税込価格)

 

同時再生産でハイクオリティーエコノミーキット版も設定しました。こちらも9月発売予定です。

▲完成品モデルの未塗装キット版といった位置付けの製品でして、仕上げをユーザーに委ねることで、いくらでもこだわりをぶつけられます。平たく言うと「好きな色で塗ってヨシ」「好きなだけ改造してヨシ」の素材的な製品ということです。
先述のように実車に個体差があるので、完成品モデルでは再現不可能な車両も、改造すれば作れるわけです。
中央線に配置された車両はパンタがPS23だったりするので、別メーカーの部品を付ければ再現できますし、200番台も改造次第では・・・

<18510>JRクモヤ145形0番代・100番代 2両ボディキット…¥4,400-
<7512>床下台車セット 事業用タイプ 2両用A(動力無し)…¥5,280-
<8381>ライトユニットU[事業用タイプA:145/90、電球・赤]…¥1,980-

※動力車にする場合は別途動力ユニット(品番:5711)をご購入ください。
※動力車用の台車枠・DT21は(品番:7512)に付属しています。

▲未塗装キットなので好きなように作れる!というのがこの製品の最大のセールスポイントです。
0番台と1000番台のボディが1対ずつ収録されています。

ボディの色は青15号で、この色はユーザーにもいろいろな好みがあるようで、必ずしもどこのメーカーの塗料が実車に近いとか、議論の対象になったりならなかったりとなかなか奥の深い色をしています。
皆さんの好みの色はどれでしょう?正解があるようでないのがキットづくりの面白いところ。

もちろん、作るのが苦手という方はぜひ、完成品モデルをお求めください。

では!

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