大山のGM本社より、片桐がお送りします。
今や懐かしき、オレンジの環状線を撮ってみました。
国鉄時代末期の1981年から始まった103系の特別保全工事。
民営化後はよりメニューを深度化し、
JR東日本では車両更新工事、
JR東海では特別保全工事+リフレッシュ工事、
JR西日本では延命N工事(特保施工車は延命NA工事)と
名称を変えて多くの車両に施工されました。
このうちJR西日本では103系初期車へのN工事の進展に伴い、
「黒サッシ」で知られる延命N40工事が
1973年以降製造車(いわゆる冷房量産車)に施工されます。
これは対象となる車両が森ノ宮区の同じ編成内に
比較的カタマリになって存在していたため、
N40車で揃った編成も多く、90年代の環状線と言えば
黒いサッシのN40車を思い出される方も多いのではと思います。
「西の103すごいよな、戸袋窓なくなっただけじゃなくて
サッシ黒くなちゃったもんな」
なんて話をした記憶が、当時の4ツ口国電マニア諸兄には
あるのではないでしょうか。
ところが103系の進化はそれだけに留まらなかったのです。
1996年、「延命N40工事新メニュー」として
クハ103-245以下8連が衝撃のデビューを果たします。
美しく張り上げられた雨樋、銀色に鈍る光るアルミ枠の逆T字側窓、
広々とした1枚ガラスの前面窓。
内装に目を向ければ、後輩の207系に範を求めた
片持ち式の深々としたシート、フリーストップ式の大きなカーテン、
楕円形グローブ付の蛍光灯が設えられた平天井。
のちに「体質改善工事40N」と呼ばれるこの豪華仕様、
改造が進むにつれ改造内容が簡略化されますが、
最終的には129両に施工され、2002年以降は外観の改造を簡略化した
「体質改善工事30N」に移行しました。
ただこの「40N車」は、黒サッシの「N40車」と比べると
形態の揃った編成は少なく、まるで戦前形省電の
張り上げ屋根車の様に従来形態の車と連結される事が多く、
編成美からは遠ざかってしまった感がありました。
さてGMでは以前から張り上げ屋根の40N車を
塗装済みキットとして製品化して参りましたが、
これらは「4両編成セット」を基本としており、
編成の自由度が高いとは言えない状態でした。
そこでこのたび製品構成を改め、「塗装済み、単品」を展開します。
■オレンジ
<1252C> JR103系体質改善車40N クハ103(低運・オレンジ)1両キット
<1251C> JR103系体質改善車40N クハ103(高運・オレンジ)1両キット
<1251M> JR103系体質改善車40N モハ103・102(オレンジ)2両キット
<1251W> JR103系体質改善車40N サハ103(オレンジ)1両キット
■ウグイス
<1254C> JR103系体質改善車40N クハ103(低運・ウグイス)1両キット
<1253C> JR103系体質改善車40N クハ103(低運・ウグイス)1両キット
<1253M> JR103系体質改善車40N モハ103・102(ウグイス)2両キット
■スカイブルー
<1256C> JR103系体質改善車40N クハ103(低運・スカイブルー)1両キット
<1255C> JR103系体質改善車40N クハ103(高運・スカイブルー)1両キット
<1255M> JR103系体質改善車40N モハ103・102(スカイブルー)2両キット
●各色とも
クハ103低運・高運1両キット…¥4,950-
モハ103・102 2両キット…¥7,810-
サハ103(オレンジのみ)1両キット…¥4,840-
発売は2023年5月を予定しています。
また、専用のライトユニットを再生産いたします。
皆様の今後の増備計画の一助となれば幸いです。