毎度ご愛読ありがとうございます、商品管理部の加藤デス。
アタシのお薦めGM客車キットをもうひとつ。定番客車キットの中から「オユ10形」を楽しんでみましょうか。この形式も「荷レ」には欠かせない車種ですね。キットから改造するといろいろな形態差を表現でき、飽きさせない要素があちこちにあって面白いものです。
▲オユ10形は国鉄時代に製造された郵便車。郵便車というからには郵政省の持ち物でした。なので妻面の銘板にはちゃんと「郵政省」と記されていたんですよね。この古いキットではさすがにそこまでは再現されていませんが…
「郵便車」というと鉄道事業はとっくの昔に廃止され、「郵政省」というのも過去の名前。しかしながら現在も保存車両があるなど、歴史的価値のある車両とも捉えられます。
※土・日曜・祝日はグリーンマックス本社および修理係は休業いたしております。電話でのお問い合わせには応じられませんのでご了承下さい。
▲さて、ここにアタシの作例が3点ほどあります。それぞれ形態差を再現したもので、手前より初期型冷改車、冷改車、非冷房車。
キットをベースに何かしら加工をしていることと、社外パーツを使用しています。
▲冷改車と非冷房車は書いて字の如く屋根が異なります。グリーンマックスからは未塗装キットでNo.118「オユ10形・冷房改造車」 No.140「オユ10形・非冷房」の2種類、このほか着色済みキットも発売していますが、改造前提なら未塗装キットをベースにした方がいいかと。
▲オユ10の妻面。片側はこのように貫通扉の窓がありません。キットでは非冷房の妻面が両側とも窓付きになってしまっているので、プラ板で扉自体を交換してしまいます。ン十年前の当時の設計なんで…大目に見ましょうネ。
なお、加工しているポイントですが、冷改車の作例には「端梁」を付けてみました。プラ板からのスクラッチですが、まあとにかく細かくて面倒でした(
笑)。採寸などは目分量でやっていたので、スミマセンが設計図などは今回用意がありません。
テールランプのレンズ化もいつも通りで、φ0.9㎜のドリルで開口して、適当なレンズパーツを探してきて裏から差し込んでいます。
▲さて、最初の画像にもあったように「初期型」というのがあります。特徴はこの側面のルーバー。グリーンマックスのキットはこの初期型がプロトタイプになっており、なおかつ5番から10番までしか見られなかった形態です(トイレ窓が小型化されたのが5番以降なので)。
冷改後に改番されたのでもはや車番だけでは新造時の番号を把握するのは難しいですね。
▲11番以降は側面のルーバーがないので、ここを再現するならばパテや瞬着などで埋めて削って平滑に仕上げる必要があります。もっともポピュラーな形態なので、調べてみると面白いと思いますよ。
▲定番加工ポイントというか、ただの意地かもしれませんが、明り取り窓は開口しています。側板の裏をある程度削ってからドリルでちょっとずつ穴をあけてデザインナイフでくりぬいていきます。窓セルは曇りガラスを使用しています。カタログ写真や説明書などは白く塗るようになっていますが、実車は曇りガラスですので、加工することで実感的になります。また、トイレ窓はt0.3㎜のプラ板をはめ込んでいます。
▲製造番によって個体差のある部分というと、冷改車のみにあるディーゼル発電機の重油タンク。キット付属のものだとどれが再現できるか不明なんですよね。資料写真で特定できたものはなるべくその形に合ったタンクを自作したり、どこかの床下機器パーツから流用したりして再現します。
▲他社製品を盛り込んでいるのでアレですが、床下機器の配置と構造はこのようにしています。Nゲージのスケールなのでよほど細かい配管などはオミットしていますが、大雑把にはこんな感じです。前回のスユ42形同様で、「排塵用送風機」はここでも自作しています。
蓄電池箱はプラ板で裏打ちしておくとスカスカ感がなくなります。画像上段が非冷房車ですが、ディーゼル発電機と重油タンクがなく、水タンクが小さいことも注目です。組み立て説明書には水タンクの加工には触れていないはずですので、参考までに。
車体色はいずれもガイアカラーの青15号を使っています。このへんは好みがあると思うので、どれが正解とかはないと思っています。
屋根はNo.8の銀色、またはねずみ色1号あたりでおとなしめの色で仕上げておきます。特別な調色は行っていません。
<製品ラインナップ>
◆未塗装キット
No.118「オユ10形・冷房改造車」…¥1,200-(税抜価格)
No.140「オユ10形・非冷房」…¥1,000-(税抜価格)
◆着色済みキット
No.11039「オユ10形・茶色(非冷房)」…¥1,600-(税抜価格)
No.11047「オユ10形・冷房改造車(青色)」…¥1,650-(税抜価格)
好評発売中です。
デハ!