懐かしい図による色差しの指南 ~その3 母なる高圧線~

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2週間のご無沙汰です。GM営業企画の片桐がお送りします。
引き続き、戦前形国電の配管の色差しについてのお話です。

6は配管の主役と言っても良いでしょう。
パンタグラフで集電した高圧電流を床下まで引き込む
高圧線です。「母線」「高圧母線」なんて呼ばれます。

特に平妻車においては、屋根上から前面に降りて、
更に床下の台車と車体のスキマに潜り込み、
ヒューズボックスまで繋がる様子が形式写真等でも
見て取ることができ、無骨な旧形電車の
大きな魅力のひとつと言えましょう。
(台車付近の配管は模型で再現しすぎると
カーブが曲がれなくなりますので程ほどに 笑)

こういった無骨さは「半流」デザインの登場により
国電では両運転台のクモハ40を除いて
見られなくなっていきます。
戦時形モハ63で復活しますが、後継のモハ72形以降国鉄は
中間電動車思想となり、一部の改造車を除き、
国鉄電車のデザインから「前面配管」は姿を消したのです。

新性能国電と旧性能国電で若干太さに差があり、
模型で引きなおす場合は新性能が0.3mm、旧性能が0.4mmが
よく用いられます。太さの違いは絶縁材料の
進化によるものでしょうか。

戦前から戦後すぐにかけての写真を見ますと
太い鋼管ではなく細い線が数本まとめられており、
この様な構造はしていませんので注意が必要です。
屋上部も木製の蓋を被せて
絶縁と歩み板を兼ねていた様です。

図において、6から矢印は2本出ておりますが、
左側は鋼管、右側はゴム被覆管です。
鋼管の末端は一旦上に向かって曲げられ、
水の浸入を防止するとともにゴム被覆部への
アプローチとなります。
おおむね上に向かって立ち上がった途中あたりから
黒いゴムの色になるのは、現代の電車と変わりません。
跨線橋から見る機会があったら観察してみてください。

【この項終わり】

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