懐かしい図による色差しの指南 ~空気作用管~

着色済みエコノミーキットは
もうお手に取って頂けましたでしょうか。
我々GMスタッフにとっても、お客様にとっても
懐かしい佇まいの商品ではないかと思います。

さて今回は、倉庫より発掘しましたとあるイラストを元に
お話を進めさせていただこうと思います。
このイラスト、見覚えがあるという方は
相当な「GMファン」と申していいのではないでしょうか。
それも、30年以上前からの、「つくる楽しみ」を
いっぱい味わわれたクチの。

 

 

 

 

 

 

 

このイラストについて語りだすと
本が1冊2冊できてしまいそうですから、
今回はこれを使って典型的な戦前形国電
(いわゆる旧国)の配管類とその色差しについて
ちょっとずつお話して行きたいと思います。
(元の文章はぜひ絶版書店を探してごらん頂きたく
──人生を変えるに値するすばらしい本と信じます)

1は空気作用管と呼ばれる細く2本並んだパイプ。
パンタグラフを降下させる為の圧縮空気を
供給する為のものです。配管工作においては
0.2mmの真鍮線などを用いて表現される事が
多いようですが、2本並んだ細い線を
同じ曲線を描いて配管しなければならず、
慣れたモデラーにとっても
比較的難易度の高い作業と言えましょう。

プラモールドの色差しにおいては、
中央の窪みを塗料で埋めない様、
ほどよく濃い目に溶いたねずみ色を筆に染み込ませ、
更に塗料ビンのフチなどでしごいて
必要最小限の塗料だけが乗るように塗らなければなりません。
配管引きなおしであろうがプラモールドであろうが
大変神経を使う作業ですが、ここがうまくいくと
こんな気持ちのよいことはありません。もう病み付きになります。

この空気作用管はパンタグラフに近づくにつれて、
途中から材質がゴム管に変わるので
模型でもその表現をするとよいでしょう。
図であれば1の矢印を引いた箇所から2つめか3つめの
配管留めから先がゴム管になる位置になります
(車によって違うので資料を探しましょう)。
そこからパンタ側は黒く塗りましょう。
当然ながら配管留めはネズミ色であるべきです。

作用管は4のシリンダーに圧縮空気を供給しており、
GMのPS13パンタでも片側にその表現がありますので、
すなわちパンタの向きを決めなければいけません。
この図の通り、作用管が伸びてきた反対側に
シリンダーが付くのが正しい向きとなります。
ちょうど手元にあったPS13パンタを撮ってみました。
ピンク色の丸で囲った部分にモールドがあります。

続きます。

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