アドバイザーの牛久保です。
第18回国際鉄道模型コンベンションにご来場された皆様方、誠にありがとうございました。
スタッフの説明や展示内容でわかりにくいこと点がありましたらご容赦願います。今後のイベント、展示会にて改善するように努力いたします。
さて、今回の展示で最も注目を集めたのは、「名鉄EL120形電気機関車」でした。
「名鉄EL120形電気機関車」については今まで非公開だった「動力ユニットの内部構造」が皆さんに見られるような展示としました。
▲第18回国際鉄道コンベンション・グリーンマックスブース内の製品技術コーナー
手前から名鉄EL120形電気機関車(試作品)、
中央はEL120形用動力ユニットのカットモデル(オモリと集電金具、台車枠などを外し、床板フレームの一部をカットしたもの)、
奥は、EL120形用動力ユニット
▲EL120形用動力ユニットのカットモデル/
台車間距離が短い電気機関車専用の動力として、
モーター軸から動力台車までの動力伝達方法を「ベルトドライブ」としている点が他社の製品と大きく異なります。
イベントに来場された方からは「事務用品の輪ゴムのように伸びたり、切れたりするなど耐久性に問題があるのでは?」といった質問がありましたが、ベルトの材質は耐摩耗性、耐油性が高い材質を使っているために耐久性については問題ありません。
ベルトドライブの採用により、モーター軸から動力台車間の動力伝達に必要な複数のギア(歯車)を無くすと同時に、ギアから発生する音(メカノイズ)についても無くすことができました。
その結果、「EL120形用動力ユニット」の開発目標としていた
①静かな走行音
②十分な牽引力
③サイズのコンパクト化
をすべて達成することができたのです。
この動力ユニットを利用・応用した電気機関車、ディーゼル機関車、小型電車、小型気動車などの製品化も視野に入ってきたということで、今後の展開にご期待ください。
<豆知識>「ベルトドライブ」とは?
Nゲージでは「ベルトドライブ」方式は馴染みが無いと思いますが、ベルトとプーリー(側面にベルトをかける溝のついた円盤状の部品)を組み合わせた動力伝達方法で、HOゲージ、Oゲージでは一般的な動力伝達方式の一つです。また、メカトロニクス分野においては、カセットテープレコーダー、VTRレコーダー、CD・VD・BDプレーヤーなどに多数採用されています。乗用車ではエンジン冷却用のファンを「ファンベルト」と呼ばれるベルトで駆動し、チェーンを使わない自転車、電動自転車などもベルトドライブとなっています。紹介した使用例はごく一部で、我々の周りには数多くの「ベルトドライブ」の機械・製品があります。