アドバイザーの牛久保です。
今回は車両のメンテナンスについてです。
長い時間走行させると、
ヘッド・テールライトや室内灯がちらついてきたりしませんか?
それらの原因の多くは車輪の汚れやごみの付着と考えられます。
▲車輪の踏面(レールの上面に接する部分)に付着したごみ。
左側の車輪は黒い線状の汚れがついています。
右側の車輪はさらに糸状のごみを巻き込んで
「ゴムタイヤ付」車輪のようになってしまっています。
▲こちらは車軸にごみが絡まっている状態。
じゅうたんを敷いた部屋で運転していると、
線路上に舞い上がった糸くずを巻き取りながら走ることになるので、
車輪が糸巻き状態となってしまいます。
グリーンマックスのライト点灯対応の製品(動力無し)は
集電金具を車軸の根元に接触させて集電するタイプですので、
糸くずが絡まると通電状態が悪くなり、
ライトのちらつきや、不点灯の原因となります。
▲模型の展示や走行を行うイベントでは
入場者数に比例して衣服から発生する綿ごみの量が増えます。
綿ごみは浮遊して線路の上に積もっていき、車両が通ると
綿ごみを踏んで圧縮したり、車輪側に付着するなどして
汚れの度合いが増していきます。
したがって、イベントでは線路を中心としたクリーニングを心がけていますが、
それでも車輪に綿ゴミが付着・固着してしまい
車両が不調になることもあるので、
定期的な車輪の点検・掃除は欠かせません。
▲動力無しの車両の場合は
台車枠から車輪を抜き取った方が掃除しやすいと思います。
車輪を外すときには台車枠を少し広げ気味にしつつ、片側から外します。
もう一方も同様に外して台車枠から車輪を抜き取ります。
▲車輪の内側に巻き込んだ糸くずは、
ピンセットでつまんで除去します。
仕上げは綿棒でふき取ります。
▲車輪の踏面の黒い帯状の汚れの除去は、
マイナスドライバーなどの金属製の道具を使うと
車輪表面のメッキや車輪自体を傷つけてしまいます。
そこで、割り箸の先をカッターナイフで
細く削ったクリーニング用具を作ります。
注)加工する際には刃物の使い方には十分注意して作業してください。
▲このように先端を平たいヘラ状に加工します。
▲ヘラ状の先端を車輪の踏面にあてて削ぐように動かします。
少しずつ車輪を回しながら作業すると良いでしょう。
▲左がクリーニング前、右が完了後の車輪です。
まるで新品のようになりました。
▲外したときの要領で、車輪を台車枠に
片側ずつはめ込んで組み立てればメンテナンス完了です。
慣れてくると、台車枠から車輪を外さずに清掃できると思います。
最初は、ちょっと時間がかかり面倒に感じるかもしれませんが、
運転した後はぜひ、終業点検と簡単な手入れを行って、
次回の運転のためにベストコンディションで
車両ケースに収納することをお勧めします。