アドバイザーの牛久保です。
EVOシリーズ・国鉄(JR)103系キットの組立の続きです。
今回は、「車体の組み立て前のパーツ加工」で指示している
「他社製のワイパー」について解説します。
▲組立説明書の「2 車体の組み立て前のパーツ加工」の項に沿って解説します。
ワイパーについては模型では「窓ガラスに凸モールド」か
「窓ガラスに印刷」といった表現方法がありますが、
前者は表現がオーバーになりすぎて
実車の繊細な形状とは異なる印象になります。
一方、後者は繊細さを再現できますが平面的な印象となります。
そこで、EVOキットではワイパーについては
エッチング製パーツを推奨することにしました。
キット自体の低価格化を図るためキットには同梱していませんが、
パーツメーカーからはさまざまな形状・材質のワイパーが発売されているので
好みの製品を選べるほうがユーザーにとっては有益と考えられます。
ここでは代表的な製品をいくつか紹介します
▲市販のパーツメーカー製のワイパーの一例①/
①銀河モデル・ワイパー<N-040>:
ワイパーのブレード(拭き取り部)と
アームがシルエット状に表現されたシンプルなパーツです。
取り付けはアームの根元を曲げて車体に差し込んで接着します。
アーム部を車体色に色差しするだけで意外と立体的に見えます。
タヴァサホビーハウス・
WP35・50型ダブルワイパー(折り曲げタイプ)B<PX446B-1>:
小パーツなので加工にコツが必要ですが、ブレード部を折り曲げることで
立体的になりガラス面に密着させられます。
ちなみに同社からは折り曲げ不要な
「WP35・50型ダブルワイパー(レリーフタイプ)E<PX446E>」も
発売されています。
▲市販のパーツメーカー製のワイパーの一例③/
ボナファイデプロダクツ・103系用パーツセット<P-026>:
折り曲げタイプのワイパー以外に
103系用の手すり、ステップ、配管など多数収録されているセットです。
▲市販のパーツメーカー製のワイパーの一例④/
トレジャータウン・ワイパー(国鉄汎用)<TTP266-01>:
折り曲げタイプと折り曲げ不要なレリーフタイプの2種が入っているセットです。
▲パーツの切り出し作業について/
エッチング製パーツを切り出す際にはプラ板を下敷きにして
デザインナイフで押し切るようにカットすると
歪まずに部品を切り出すことができます。
ワイパーの根元を曲げる場合には
ヤットコや肉厚のピンセットでしっかり保持し、
ピンセットの後端などで一気に曲げます。
◆ワイパーの塗装について/
ワイパーのパーツは金属製なので、
塗装する場合には塗料の食い付きを良くするために
プライマーを塗布し乾燥後に色を塗ります。
プライマーとしては、
<P-01>ガイアマルチプライマー[ガイアノーツ]や、
<MP242>Mr.メタルプライマー改 瓶タイプ[GSIクレオス]などが利用できます。
塗布は小面積なので面相筆による筆塗りでOKです。
接着はゴム系接着剤をワイパーの取付部に少量塗布してから
車体に差し込んで固定します。
▲すべてのユーザーに対して車両の細密化を強制するつもりはありませんが、
このキットを通してワイパーを別体化するだけで
前面の印象が格段に向上することを実感していただき、
パーツにも興味を持っていただければ幸いです。
<続く>