アドバイザーの牛久保です。EVOシリーズ・国鉄(JR)103系キットの組立の続きです。
今回は、「車体の組み立て前のパーツ加工」について解説します。
組立説明書の「2 車体の組み立て前のパーツ加工」の項に沿って解説します。
作業に入る前に、作っておくと便利な工具として「割りばしヤスリ」の紹介をします。
▲割りばしヤスリは「割りばし」に「紙ヤスリ」を貼ったものです。安価で手軽に作れるだけでなく、
粒子の細かい紙ヤスリを使うことで市販されている精密ヤスリより仕上がりが滑らかになるといった長所があります。
▲作り方は、割りばしを2つに割き、どちらかの先端を写真のように厚みを薄くするように加工します。
狭く小さい面積を削りたい時には細い先端側を、大きい面積を削りたい時には太い先端側を使うようにします。
▲紙ヤスリの貼り付けには、瞬間接着剤か両面テープを使用します。
ただし、両面テープの場合には紙ヤスリがズレたり、はがれたりしやすいので、
写真のように裏表にぐるっと巻いてしまえば両面テープで貼る面積が稼げるのでズレにくくなります。
▲車体のバリの除去/プラスチックの成形品の場合、製造する過程で「パーティングライン」と呼ばれる金型の合わせ目ができます。
また、場所によっては「バリ」と呼ばれるパーティングライン部に薄く樹脂が出っ張っている部分があることがあります。
先頭車の前面を見てみると、わずかながら矢印の部分にバリがあることがわかります。
▲バリの除去には「割りばしヤスリ」を使います。紙ヤスリは800番程度でよいでしょう。
力は入れすぎず、削っている部分の様子を見ながら作業します。
塗装済み完成品場合には、製造過程でこのような工程はありませんので、
塗装・組み立て後に目立つ場合があります。
塗装前ならばこのような作業をすることができるので仕上がり良くなります。
これは未塗装キットの優位性のひとつといえます。
▲側面と前面、側面と妻板の角部にパーティングラインがあるため、こちらにもわずかながらバリがある場合があります。
特に先頭車の前面部は注目される部分ですので、ここだけでもていねいに仕上げておくと見栄えが良くなります。
▲側面の角部にあるパーティングラインの除去作業は、写真のように幅の広い割りばしヤスリを使うと、
部分的に削りすぎることが無く作業しやすいでしょう。
▲クハ103の500番台を製作する場合には、前面にモールドされている「ジャンパ栓納め」は不要なので削除します。
屋根上の手すりのときと同様にニッパーで浅くカットしてから、割りばしヤスリを使って仕上げます。
その際には誤って傷つけないように、近くにあるテールライトをマスキングテープなどで保護しておくとよいでしょう。
▲ワイパー取り付け穴の加工/完成品の場合には窓ガラスにワイパーをモールドか印刷で再現していますが、
それぞれ印象に一長一短があり、金属製のワイパーを取り付けたほうが実車の印象に近くなります。
そのためこのキットは、パーツメーカー各社から発売されているワイパーを別途購入して取り付ける仕様となっています。
ワイパー取り付け部には小さな四角い凹みがありますので、ここを目安にしてφ0.3mm程度の穴を開けます。
その際にドリル刃を斜めにしてほんの少し横長の穴になるようにします。
凹み部が丸ではなく四角なのは市販の金属製ワイパーは板状であり、取り付け部の断面が薄い四角形となるためです。
取り付け穴が丸穴だと取り付け後にワイパーが回転してガラスを傷つけてしまう恐れがあるので、四角い凹み形状にしてあります。
▲キット付属の「改造シールドビーム2灯用カバー」を取り付ける場合には、
前面にモールドされているオリジナルの大型前照灯の枠を削る必要があります。
作業の際には近くにある手すりなどを写真のようにマスキングテープで保護しておくと良いでしょう。
▲バリの除去、パーティングラインの仕上げ、ワイパー取り付け穴の加工、前照灯の枠除去が完了した前面。
以上で車体についての組み立て前の加工は終了です。
2灯シールドビーム改造されたヘッドライトパーツの使用方法については次回紹介します。
<続く>