★★★EVOシリーズ・国鉄(JR)103系の組立<2>

※本日、日曜日は本社、修理係とも非営業日です。

アドバイザーの牛久保です。EVOシリーズ・国鉄(JR)103系キットの組立の続きです。
今回は、使用するキットと組立前の準備について解説します。

▲今回、製作する車体キットは「7001 国鉄(JR)103系<低運・非ユニット窓・冷改車>基本4両編成セット」、
下回りは「7501 床下台車セット 冷房車 基本4両用(動力付き)」です。

▲最初に製品に同梱されている「組立説明書」のパーツリストを見ながら、
必要な部品が揃っているか確認します。
もし、部品が不足していたときは購入されたお店にお問い合わせください。

▲車体キットの部品構成は、ふた昔前の板状のキットとは異なり、
現行の完成品の構成とほぼ同じなので、
箱状の車体に部品を組みつけていくスタイルになります。

作業については組立説明書の「1 屋根上の加工と組み立て方」に沿って解説します。
ここでは複数の車種に共通するパーツである屋根を製作する車種に合わせるための加工を行います。


▲屋根パーツはパンタグラフまわりの配管がある屋根(パンタあり)と、配管が無い屋根(パンタ無し)の2種類あります。
「配管がある屋根」はクモハ103、モハ103用として使用し、
「配管が無い屋根」はモハ102、クハ103、サハ103用として使用します。
それぞれ車種ごとに屋根上の手すりの位置が異なるため、不要な手すりを削ります。

また、先頭車に設置されている信号炎管、アンテナ類なども取り付け位置が異なる場合がありますので、
組立説明書の記述を良く読んでから作業に入るようにします。

▲屋根を加工する時には、どの車種用に加工するかを決めたら、間違って削ってしまうことがないように
マスキングテープなどで「残しておく手すり」を保護し、車種名を明記しておきます。

▲手すりを削る際にカッターナイフやデザインナイフを使うと削りすぎて、
手すり以外の屋根表面を傷つけてしまうことがあります。

そこで、まずプラスチック用のニッパーである程度カットしてしまいます。
刃の先端が薄く、切れ味の良いニッパーを使うと切断面もきれいです。

▲プラスチック製の車体、部品の仕上げには精密ヤスリでは目が粗くキズが残ってしまうため、
ヤスリ仕上げには「紙ヤスリ」を使用します。
ここでは800番程度の紙ヤスリを使って削り残した手すりを削ります。

短冊形に切り出した紙ヤスリを2つ折りにして写真のように屋根のカーブを意識しながら
軽い力で削れて行くようすを見ながら削っていきます。

▲組立説明書に沿ってφ0.4mmのドリル刃をピンバイスにセットして信号炎管の取り付け穴をあけます。
斜めに穴が開かないように垂直にドリル刃をあてて穴あけをします。

▲屋根裏には複数のメーカーのクーラーに対応した形状の取り付け穴が設定されています。
今回はキットに付属しているクーラーを使用するので、取り付け穴の加工は
グリーンマックス製のクーラー用としてφ2.6mmの穴を開けることになります。

▲注意点としては、いきなりφ2.6mmのドリル刃で穴を開けようとしても中心がずれたり、
ドリル刃が屋根に斜めに食い込んだりするので、φ0.8mm位から段階的に大きな径のドリル刃で穴あけをすると良いでしょう。
また、φ2.6mmのドリル刃が手元に無い場合は、精密ヤスリセットに含まれている「丸い棒状のヤスリ」を使って
徐々に穴径を大きくしていき、屋根とクーラーを時々組み合わせてちょうど良い大きさの穴に仕上げます。

▲パンタグラフも複数のメーカーに対応するための取り付け穴が設定されています。
今回は床下台車セットに含まれているパンタグラフを使用しますので、φ1.0mmで穴あけを行います。

※この部分の説明については組立説明書に誤植がありますのでご注意ください。
誤)グリーンマックス製はAを、KATO製はBを1.2mmのピンバイスで・・・
正)グリーンマックス製はAを、KATO製はBを1.0mmのピンバイスで・・・

▲垂直にドリル刃をあてて穴あけします。ここでもφ1.0mmのドリル刃でいきなり穴あけをするのではなく、
φ0.8mm程度の穴をあけてから取り付け穴の径であるφ1.0mmのドリル刃で穴あけした方が、
位置ズレや斜めに穴が開くような失敗が少なくなります。

▲不要な手すりの削除と、クーラー、パンタグラフ、信号炎管などの屋上機器取り付け穴の加工を完了した状態。
上はクハ103用、下はクモハ103用として仕上げた屋根。

▲こちらも不要な手すりの削除と、クーラーの取り付け穴の加工を完了した状態。

上はモハ102用、下はサハ103用として仕上げた屋根。

以上で屋根上の加工は終了です。
パンタグラフやクーラーなどの屋上機器は塗装直前、または塗装後に取り付けることになります。

<続く>

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