修理部 名野です。
修理係新設から半年が経ちました。
みなさんより様々な修理のご依頼を受けています。
そんな修理の内容で時々あるのが、動力台車枠について。
通常使用範囲では、早々壊れる部品ではないのですが、
最近は、他社製ボディマウント式伸縮カプラーなどに交換される方も多いようで、
その際の動力台車の加工で、元のカプラー部分を切り過ぎてしまうことがあるようです。
切り過ぎると、ギア等各部品の固定が悪くなり、走行性能に影響が出たりします。
そんな、カット位置の注意点です。
動力台車の分解・組立は、こちらのメンテナンス法を参照してください。
※加工は自己責任でお願いします。また以下にご紹介するのは、あくまでも一例です。
カットする位置は写真の赤線が限界位置。
これ以上ギア側を切ってしまうと、台車フレームの保持が甘くなってしまいます。
フレームが前後に動くようになってしまうので、始動時が安定しません。
一気に根元から切らずに、上の図のような順番でカットすると、失敗しにくいです。
このように、カプラーポケットの根元を残すような位置が理想です。
「カプラースプリングを収めるボス(突起)の根元まで」が目安になります。
先頭車に動力が入る製品の場合も、同じ位置でカットされています。
これは、本日出荷の211系5000番台などが該当します。
この台車をボディマウントカプラー取付の動力ユニットに装着すると、
こんな具合。
カプラー本体とは干渉してませんね。
ただ、このままでは、カプラーの復元ばねの留め具が台車枠に引っかかり、
カーブ走行時に脱線してしまいます。
正面への復元機能は無くなってしまいますが、ここは根元からカット。
取扱説明書記載の、ここのカット指定理由はこういうことなんですね。
さらに、この画像のように先端上部を斜めにカットしておくと、より干渉を減らせます。
ただし、少々台車枠の強度が落ちるので、この加工をした場合は、取り扱いに注意しましょう。
レイアウト条件によっては、ボディマウント式カプラーでは厳しい場合もありますので、
そういったときは、ドローバーでの連結が無難です。
以上、ちょっとした小ネタでした。