動力メンテナンス法⑮

修理部 名野です。

さて、今回で15回目になる動力メンテナンス法、

いよいよ最終回です。

前回までで、キット用の旧タイプ動力の組立まで完了しましたが、

今回は、その旧タイプ動力の動作チェック時の症状と解決法です。

構造が簡単で、比較的分解⇔組み立てがやり易い動力ですが、

ちょっとした組み合わせのズレで動きが悪くなることがあります。

そんな状態の時は、下記を参考に、各部を調整してみましょう。

●通電時モーターは回るが、動力を組みなおしたら動かない。

大半の原因は、組み立て時に集電板がモーターの端子と接触してないのがほとんど。

上の写真のように、モーター端子と集電板が接しているか、確認してみましょう。

●モーターが回るが、進まない

これは通電状態は問題ないですが、駆動部品のかみ合わせが悪い状態ですね。

シャフトと受けの位置関係に問題はないか、しっかりとかみ合わさっているかチェック。

組み合わせが問題ない場合でも、シャフト受けがモーター側だけ回転しているようなら

シャフトの突起が磨り減っている可能性があります。

先端部分を要チェック。

それでも空回りするなら、二段ギアをみてみましょう。

左は新品です。

ここまで歯車の歯が無くなっていると、動きません。

右のような状態のギア部品は新品と交換です。

●動きはするが、低速が安定しない

この状態でまず見る箇所は、車輪。

レールから電気を受ける最初の場所ですので、スパークヨゴレ(黒ずみ)、

磨り減りがないかをチェック!

解決できない場合は新品へ部品交換します。

各部に問題はなく、動きが悪い場合、

シャフトの両サイドの「受け」位置がズレているかもしれません。

受け部品を前後に調整。

調整しても変化がなければ、

台車フレームのギアが正常に回るかチェックしてみます。

ギアの回転が渋かったり、台車フレームの車輪受け部が磨耗していれば交換しましょう。

ここは、完成品動力も同じです。

また、単純にグリス切れの場合もあります。

そのときは、ギア各部に油を差しておきます。(付けすぎ注意!)

それでも駄目なときは、モーターケースのツメが曲がり、

固定がゆるくなっていることがあります。

この状態で、前後にガタつかないかチェック。

ゆるいなら、床板か、モーターカバーの交換です。

主要メンテナンス項目はだいたいこんなところですね。

大体の症状は、これで直るはずです。

常日頃から、動力ユニットのメンテナンスをしておけば、長持ちします。

走行会やレンタルレイアウトで走らせた後は、一度メンテナンスをしておきましょう。

今回までのメンテナンス方を試しても駄目だった場合や、細かすぎて無理!

という方は、一度修理係へご相談ください。

また、今回まででご紹介してきた内容は、今月号のRMモデルス付録

「車輌メンテナンスはじめてガイドブック」に一部掲載もされています。

完成品動力をメインに、動力メンテナンス法をお伝えしています。

お手元にお持ちの方は、コチラも併せてご利用してみてください。

それではまた。

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