毎度ご愛読ありがとうございます、営業部の加藤デス。
今回はエコノミーキットの作り方をまとめてみました。どちらかというと初心者~中級者向けの記事となりますが、参考になれば幸いです。
「エコノミーキットを作ってみたい」「でも…キットって難しいんでしょ?」
最初はどんなきっかけでもいいと思いますが、まずは作ってみようと思うことが大事です。難しいかどうかというと、キットによってクセが強いものもあるので、ものによっては難易度が上がります。今回作例として用意したのは当社の中でも屈指の人気製品「407A(阪急通勤車)」で、この製品は組み易さだけで言えば初心者でも楽に組めるキットに位置付けられますが、逆にこのキットで作る形式によっては加工箇所が増えます。
▲組み立て説明書に記載されている編成表参考資料。407Aで作れる形式は様々で、2000、3000、6000、5100、5300、8000系と、2800系が作れることになっています。形式によっては収録されている部品を切り継いだりすることで再現可能となっています。
▲加工箇所がほとんどなく、ストレートで組み立てられる形式というと5300系なんかでどうだろう?ということで題材にしました。
実車どおりに作ろうとするならば、407Aのキットを2つ用意して4+3の7両編成にすることになりますが、作例では407Aを1セット分を工作します。なお、配管や床下機器などは改造などせずにストレートに組み立てますので、実車とは異なる部分があります。腕に自信がある方は完全再現を目指しても面白いと思います。
さて、工作するには最低限用意しなければならない工具があります。パッケージのラベルに記載された指定工具と別売りの台車やパンタ、インレタも忘れずに手に入れておきましょう。特に注意点があるとしたら、ドリルの径は指定のものを必ず用意してください。
▲必要工具は次のとおり。プラモデル用接着剤(スチロール用かABS用と記載のある製品推奨です)、ゴム系接着剤、ドリル、ピンバイス、ピンセット、ニッパー、デザインナイフ、ステンレス定規、カッターマット。
▲さらに持っていると便利なもの。こちらは必須とは言いませんが、せめて紙やすりは用意しておきましょう。
メンディングテープ、両面テープ、マスキングテープ、つまようじ、紙やすり(目は400、600、800、1000があればベター)、スポンジやすり(1500ぐらいがあればベター)、スティック型ヤスリ(400~800があればベター)。
塗装用具は後ほど解説します。
工作を始めるには初期投資は必要です。専用工具を推奨するのはキレイな仕上げへの第1歩です。
さてさて、前置きが長くなりましたが、開封の儀式などは割愛するとして、さっそく作り始めましょうか。
▲とはいえ、まずは下ごしらえ。忘れがちなのが不要なモールドの撤去。このキットには多様な形式を作れるように、複数個所に別形式のモールドが彫刻されています。側面方向幕と側灯は作りたい形式に合わせて不要なものを削ぎ落としておきます。5300系なら画像のとおり両側面ともモールドを撤去します。
あとはゲートカット(ランナーから切り離した切り口のこと。)をきれいに均しておきましょう。
次に大事な部分は…
▲側板の裏側には「押し出しピン」という射出成型(インジェクションキット)に見られる機構の痕。※違う形式の画像でスミマセン。
▲これが窓の下のほうに飛び出している場合はナイフで平行にしておきましょう。これをしておかないと窓セルをきれいに貼ることができません。4両なら8枚分の側板を必ずチェック!
▲ボディの接着面にヤスリ掛けをします。実はこの部分、案外抜き勾配があったりバリがあったりします。それを均すためにヤスリ掛けするわけですが、スティックタイプのもので軽く5回ほどなでるだけでOKです。あまりしつこく削ってしまうと角が丸くなってしまったりするので注意です。
それが終わったらようやく組み立て開始です。
▲まず前面と側面をLの字に接着します。ここでは流し込み接着剤を用いています。これがスグレモノで、速乾性があるので短時間でガッチリ接着できます。
流し込み接着剤はボディの裏から流し込みます。
▲接着剤ははみ出すぐらいが実はちょうどいいんです。というのも、パーツ同士の接合部分に隙間が発生すると仕上げの前にパテなどで修正しなくてはなりません。この程度のはみ出しは寧ろパテ代わりになるので、あとはヤスリで均せば隙間埋めになります。
▲直角になるように注意しつつ、高さ方向でもズレがないように。
▲要領を得たら一気にL字に組み上げてしまいます。流し込み接着剤であれば数分で固着します。
▲ハコにしました。屋根板を「仮組」すると歪み防止になります。
さて接着剤についてですが、ボディの組み立ててやパーツの取り付けに瞬間接着剤は使用しないでください。瞬着の出番は普通の組み立てでは使用しません(パテの代わりとか金属パーツの接着では重宝します)。
ここまで来たら接着部分のヤスリ掛けを施します。
さてさて、エコノミーキットの表面には、案外目立たない傷や凹凸がありまして、そういったところが気になる方は気合を入れて表面処理をしておきましょう!(必須事項ではありませんが、仕上がりを重視するならやっておいて損はないです。)
表面処理のヤスリ掛けに関しては紙ヤスリの600番⇒800番⇒必要に応じて1000番の順で掛けます。スポンジヤスリもかなり重宝します。
最後、サーフェーサーについても補足説明しておきましょう。
サーフェーサー=目止め・表面処理用パテですが、これも必須事項ではありません。サーフェーサーを吹き付けてみると表面の傷や隙間が発見しやすくなります。あまり厚塗りしなければモールドが埋まってしまう心配もないと思います。市販品でスプレータイプとビンがあります。
長くなりましたが、下ごしらえはここまで。次回に続きます~♪
デハ!